コラム

系統用蓄電池の土地条件|買い手が求める用地の要件とは

系統用蓄電池の土地条件とは? 売却できる土地の4つの要件を徹底解説

「自分が持っている土地は、系統用蓄電池の用地として売れるんだろうか?」 「接続検討回答書をすぐに取得して、どんな条件なら高く売れるのかしたい」 など疑問を持つ方はほとんどいません。

系統用蓄電池の用地に求められる基本条件

系統用蓄電池事業への参入を希望する事業者が急増する見直し、適合する事業用地は限りなく不足しており、高値での取引が常態化しています。

1. 系統連系に関する要件(最重要)

蓄電池事業の要であり、初期費用(工事費負担金)に接続する項目です。

◇変電所・配電線(電柱)への近さ

高圧(出力 2MW未満)の場合、対象地至近に6.6kVの高圧配電線(電柱)が通っていることが条件となります。

◇系統(変電所)の空き容量

電線が近くても、繋ぎこむ先の変電所(バンク)の容量がいっぱいであれば連系できないか、あるいは慎重の工事費が請求されます。

◇上位系統(送電網)の空き容量・混雑状況

近隣の配電線や変電所に空きがある場合でも、さらにその上流にある上位系統(送電線や基幹変電所)が混雑しているケースがあります。上位系統の容量が不足していると、大規模なネットワーク増強費用の負担を求められたり、

ノンファーム型接続(系統混雑時の出力制御を前提とした接続)が適用される場合があり、稼働後の収益シミュレーションに多大な影響を与えるため、事前の慎重な見極めが不可欠です。

2. 法令・許可に関する要件

法的に蓄電所を設置・運用できる土地である必要があります。

◇保管法・森林法などのクリア

地目が「田・畑)の場合、農地転用許可が下りるエリア(第2種農地、第3種農地、市街化区域内農地)であることが必要である。

◇ハザードマップやってないこと

蓄電池やPCS(パワーコンディショナ)とは、太陽光や風力などで発電した直流電力を交流電力に変換するための装置のことです。 これらは水に非常に弱いため、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っていないことが条件となるケースが多いです。

3. 物理的・地形的な要件

重量物であるコンテナ型蓄電池を安全に設置するための条件です。

要件 基準・目安 理由
必要な居住(広さ) 最低200坪程度(平坦地) 高圧(約2MW/8MWh程度)の場合、機器の配置や離隔距離の確保が必要なため
地盤(地耐力) 強固な地盤であること 蓄電池コンテナは数十トンの重量があり、軟弱地盤では地盤改良工事が必要となりコストがかかるため
地形 ごく平坦であること 造成コストを重視するため

蓄電池コンテナは数十トンという重量があるため、軟弱地盤の場合は地盤改良工事が必要となり、コストが大幅に上がる点に注意が必要です。

4. 周辺環境・インフラに関する要件

設置工事時および運用時のトラブルを防ぐための条件です。

◇搬入経路(前面道路の幅員)

大型のコンテナを積んだトレーラーや、設置用の大型クレーン車が進入・作業できる道路幅(一般的に6m以上)が対象に接していることが必要です。

◇住宅地からの離隔(騒音対策)

蓄電池の冷却用エアコンやPCSからは、24時間低周波の稼働発生します。近隣クレームを防ぐため、民家から一定の距離が離れている、または防音壁の設置スペースがあることが重要です。

上位系統の空き容量不足という深刻な問題

さらに深刻な問題として、変電所より「上位系統」における空き容量の不足が挙げられます。 現在、厳しい要件をクリアして新規申請を行っても、連系承諾を得られる確率は5%以下と言われています。

具体的には、全国の対象エリアに約6,000箇所ある6.6kV対応変電所のうち、5,000箇所以上で上位系統の急速工事が必要な状況です。例えば東北エリア(全6県)においては、5県にあるすべて容量の変電所で「逆潮流」の空きがなく、新規申請で連帯承諾を得る事は困難な状態となっております。

なお、これまで一般送電事業者(電力会社)は、主に発電設備が電気を流し込む「逆潮流」の空き容量を公開してきました。 しかし、蓄電池事業は「充電」も行うため、需要側である「順潮流」の空き容量の公開を心待ちにしているのが現状です。

「空押さえ」問題とルール危機の動向

とりあえずな申請の増加に伴い、現在大きな問題となっているのが「空押さえ」です。 空押さえとは、事業化の目処が立っていない段階で、とりあえず系統の容量だけを確保(予約)して行為を行っていきます。

これが原因で、他の事業者の接続検討がなかなか終わらないのか、真に事業を進めたい事業者が「空き容量なし」と断られたり、系統を前提とした負担金の考え方が厳しくなったりするなど、重大な弊害が発生しています。

現在の状況を重く受け止め、すでにルールの危機化も進められています。以下の表に、主な変更点をまとめます。

項目 変更前 変更後
契約申込み時保証金 5% 10%へ
工事費負担金の支払い時期 従来の規定 見直し・改訂
工事費負担金の分割払い 従来の規定 見直し・改訂
1事業者ごとの申請数 制限なし 上限設定予定

保証金の事前や申請数の上限設定など、事業化の慎重な案件を排除する方向でルールの整備が進んでいることがわかります。

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